地獄編〜8  麻薬が欲しい・・・純情医者は騙される。

 再び 夜間急病センター
 深夜 腰が痛い・・・夜の女?
発病の経過をいくら聞いても ムニャムニャ・・・。痛い顔が 痛くない顔へ。座る姿勢もごく自然。
「痛い イタイ」は 相手の主張。オマエさんは痛くない・・・なんて言えもせず。ボルタレン座薬一個処方。
15分後事務から電話。連れの男が「注射しろ」と大騒ぎ。ヤーさん風情の若い男 診察室に。
 「注射せんとは 何事だっ」
  「座薬でなおる!」
 「救急でチュウシャが無いのかっ!」
  「ない物は 無いっ!」・・・
男 女に向かって
 「オイッ いつものあの医者に行けばやってくれるっ!遠いけど」

  これは「麻薬」を打て・・・のシグナルだ。
モンスター患者」「モンスター・ペアレンツ」の はしりだった。「トンデモ患者」と「揉み手医者」。
 戦時中 従軍医師 衛生兵 兵隊の中には 麻薬依存・覚せい剤中毒が多くいた。
「突撃丸」も そのひとつ。
   附①  85%は 原因不明の「非特異性腰痛」。残り15%に椎間板ヘルニア 脊柱管狭窄症 圧迫骨折 転移性骨癌等
   附②  地獄編では 話がピョンピョン あちこちにすっ飛びそうです。