地獄編〜40  この男真っ暗闇の高校時代・ガンコ・変人・奇人(19)

 新制中学から新制県立高校へ。何ら入学試験も無く どのような手続きを経て入学したのか未だに解らない。なんとなくズルズルッと高校生になっていた。この男相変わらずヒョウロク気分が抜けて無かった?。母が寝込んで何時も臥したままだったのは確実。食事と用便がどうなっていたのか・・・記憶が定かでない。偶々近所の開業医の奥様がとても親切にして下さり 薬を取りに行った。診察も往診も無かったが・・・。ガンコはどんな薬を服用してるのか迂闊にも一切知らなかった。病名さえよくは判らなかった。まさにアホ・バカ・マヌケだった。
 高校一年は体操・音楽を除くとオール5で中学時代より成績表は良かったと記憶する。元来通信簿には関心が無くこの点全く曖昧。
二年生になって登校できない日が屡あり 百姓の仕事もままならず何とも言えぬ負い目が背にのしかかり 登校用の黒色皮靴は左右カタチンバ 父はイッパイひっかけて夕方帰宅 受験用の参考書も無く大学受験とは何なのかさえ知らなかった。それ程無知だった。それにしても「高等学校」生活とは一体何であったのか今も判らない。教師連中はおしなべて教える熱意が無く 教え方を知らず 生徒をなにがしか啓発するでもなく 勉強と学問との違いも伝えない なんの迫力も無い 手前勝手なお喋りで授業を終わる「デモシカ教師」ばかりであったと確信している。或いは急拵えの代用教員だった?・・・。いずれにしても高校に居ること自体が時間の無駄・浪費だ!・・・と何時もいつも感じてた。
相談出来る教師なんて一人も居なかった・・・。その後も心から敬服する人物に遭遇した事が無い。
 友人も居なかった。一人いた?が「お前は一体何を考えてるのかサッパリ判らん」。「変人だ」。「変わり者だ」・・・。何度も何度も言われた。
高校で大学受験について友人は無論 教師ともただの一度も相談したり話したりしたことはなかった。
 高校三年の三学期頃?すでに死を覚悟していた母が突如ひょっこり「お医者さんになったら?なれるわよっ!!」。
 この一言がガンコ・変人にとって「決めて」となった。いろいろ雑多なウヤウヤ・モヤモヤが一瞬にして吹っ飛んだ。
ひとり黙って考えた。決めた!!。
 最初の受験はこれを「模擬試験」とみなし 大学受験の実態を体験によって知る!!賭けに出た。