地獄編〜47  この男・奇人・「本能」重視!・・・「売春防止法」反対!(26)

 人は身をもって「体験」したことしか本当の事は解らない。東京大空襲で孤児になった男。「空襲の凄まじさ」を体験した。いわく「二〜三メートル動くのに二〜三時間かかった。嘘じゃねぇ・・・っ!。ほんとの話だ!。いくら話したってお前になんかわかりゃしねぇ・・・っ!」。「体験しなけりゃ解らねぇ・・・っ!」。この一言に尽きる。
 公衆衛生学教授。旧い文学青年タイプ。公衆衛生なんて言っても あの敗戦後のドサクサ時代。なにやらグジャグジャ喋っては居るが 何だかピンと来なかった。ふたつ印象に残った。ひとつはレポート提出。「売春防止法について私見を述べよ」。
 動物としての「人間の本能」に基ずく性行為。これを人為的の最たる「法律」に依って制限するのは不可能と奇人は断じた。解りやすく言えば 売春防止法は 女にとっても男にとっても不都合極まりない。むしろ「公娼」制度を改革・改善・完全オープン化して ヤクザ・暴力団・マフィアが暗躍不可能な制度を創るべし・・・と書いた。この論理 フニャフニャ教授の不評をかった。
 滅茶苦茶・ドロドロ・うす汚いのがこの世「地獄」の「現実」。この「現実」を無視・否定したのが低脳・ババァ国会議員達。ギャーギャー大騒ぎ。なにびとも反対出来ない。反対しようものなら袋叩きにあい 殺されかねない。結局 法案成立へ「雪崩れ込んだ」。
 もひとつ。福田赳夫首相が「人の命は地球より重い」と述べ 超法規的?にケリをつけたハイジャック事件。あの飛行機にたまたま乗り合わせたこの教授。コメントを求められてテレビ出演いわく・・・「何も悪いことなんてしてない一般市民がこんな酷い目に遭うなんて・・・」。奇人仰天!。医学部教授ともあろうものが・・・。「教授」なんて所詮この程度・・・!。首相も首相だ!。在ペルー日本大使公邸占拠事件。四か月以上かかって解決。青木盛久特命全権大使いわく「・・・今はウナギを食べたい・・・」。一事が万事!。
 「馬鹿は死ななきゃ治らない」。折角の「体験」いかんせん?!。死んでも治らない 解らない?!。